2011年8月17日水曜日

英霊の声


お久しぶりです!yo-sk8放送局スタート!
やぁみんな、夏休みお盆休みを満喫してる
かな?この夏、サーフィンを始めた人、
思春期に少年から大人に変わって徳永英明に思いを馳せている人などいろんな人がいると思われるが『夏の海』に特別な思いをお持ちの年代の方がいる。今日はそんなお話だ。
俺は何年か前に何かのタイミングで、ある特攻兵器の存在を知った。特攻というと、神風特別攻撃隊をまず想像するよな。鹿児島の知覧飛行場から、ゼロ戦に爆弾を搭載し、米国艦隊にまさに体当たりするという作戦だ。だが特攻兵器は、実はそれだけではない。
リスナーの皆は、魚雷に人間を乗せ魚雷の目になり海中より敵艦に体当たりする特攻兵器があるのをご存知だろうか?その名は『回天』長さ14m。ピッチャーマウンドから、ホームベースまでの距離といえば想像できるかな?九三式酸素魚雷に無理矢理操縦スペースを作り、魚雷の炸薬量は1.5t!!!
神風の搭載爆弾が300kgだから、その威力はとんでもなく、クレイジーなのだよ。
飛行機乗りになりたくて、予科練学校に入った16〜19歳の少年はまさか魚雷に乗るなんて想像も出来なかったに違いない。
先の大戦いわゆる太平洋戦争の末期、日本は制空権を完全に米国に掌握され、連日のようにB29のブチ切れた空襲によって本土は焼け野原になっていた(アメリカはいつもそうだ、ベトナムだって、湾岸戦争だっていつも上から罪の無い一般人を攻撃しやがる)だから日本に残された一縷の望みは、潜水艦から敵艦を見つけ、回天攻撃するしか無かったのだよ。潜水艦に回天を4基搭載し、潜水艦は南方の海に潜水する。しかし回天を搭載しているため、規定の潜航深度まで潜水出来ず、敵艦に探知されやすくなってしまい作戦は難航していた。とまぁ俺はこんなことぐらいの知識しか無く、現代において回天搭乗した隊員の話は文献で調べたり、戦争体験を語る会が東で開催されれば東に赴き、西で戦争と平和展があれば西に飛んだりしていた。(ここでいう東西は全て愛知県内だよ)しかし、回天となると魚雷に乗りこんで敵艦に体当たりというぐらいでしか意見されない。というのは、神風特別攻撃は、当時メデイアで大々的に発表され国民の英雄(軍神)として扱われたのだが、回天は魚雷に乗り込むという余りにも非人道的なため、(しかしながら特攻自体非人道的だが)新聞に神潮特別攻撃隊と小さく載っただけで、全て秘密裏に作戦が敢行されており、一般人はおろか、他の軍人にもあまり知らされていなかったのだ。
そんなある日、俺はたまたま知り合ったチャンジーの口から、ビックリする言葉が発せられた。
『ワシは戦時中潜水艦乗りで、回天の修理担当をしとってのぉ』
まっまじっすかー!!?チャンジーは回天作戦の潜水艦に乗ってたんすかー!?
俺はマジでビックリしたのだが、チャンジーも俺のような若者が『回天』を知っていることに、びっくりしていた。興奮したチャンジーは、タフグリップのグリップ力が弱まっているせいか、入れ歯をふがふがさせながら色んなコトを教えてくれた。
潜水艦に一緒に乗り込んでいる回天搭乗員
の、爽やかで凛々しい態度。いっそ敵艦なんか見つからなければ良いと思っていたこと(敵艦が見つかれば回天作戦が決行されるため)
『潜水艦なんでそりゃ、敵艦に撃沈されれば、皆死んじゃうけど、それでも必ず死ぬと分かっている者と、ワシらとは同じ潜水艦の中でも、全く違っていてねぇ』
彼らは最後の最後まで笑顔を絶やすコトはなかった。それでもどこかで、恐怖とやけっぱちと諦めと怒りが、頭を駆け巡っていたに違いない。だって人間なんだ。
そして、故郷のコト、家族のコトを話している最中。艦内放送で、
『敵船団発見、総員配置、回天戦用意!』
と艦長から告げられると、彼らはキリッと
神妙な顔になり、落ち着いた様子で、艦内全員に、深々と一礼をし、
『ここまで連れていただき、本当にありがとうございました。皆さんの武運長久をお祈りします。必ず撃沈させます。先に靖国で待っています』と彼らは静かに回天に乗り込んだ、そして回天乗組員と通信のできる最後の手段の交換受話器から、
『言い残すことはないか?』と伝えると、
『故郷の母に、俺は立派に逝ったと伝えてください』と受話器の向こうから聴こえてきた、そして、発射準備の数秒間の間
受話器の向こうで、乗組員のすすり泣く声が聞こえた。そして艦長から
『一号艇、発射!』の合図が出されると
先ほどのすすり泣く声は消え、
『では、行きます!さようなら』
その声と同時に、回天のスクリュー音が轟き、発射とともに、受話器がガリッという音と一緒に途絶えた。
『あぁ、ついに行ってしまった、送り出してしまった』という思いが全身を走った。
そして発射から、30分後に物凄い爆音が海中に響いたという。
『ワシは、あの乗組員の最後の言葉と、スクリュー音と、爆音が今でも頭から離れないんじゃよ』
ここまで、チャンジーが話すと、恐らく何十年ぶりかに当事の話しをしたのだろう、チャンジーは声をあげて泣いた。しばらくしてから、チャンジーはもう何十年も海に行ってないので、(海を見ると海に散った戦友を思い出してしまうらしい)
サーファーの俺に頼みがあるとのことだ
海に行ったら、彼らにこう伝言してほしい
『もうすぐそちらに行くので、また酒を呑もう』と、俺は神妙な面持ちで伝言を頂戴した。今の日本は内戦も無く、本当に平和な日々を送っている。(争い事があるかないかという意味で)
今の日本は、彼らが命をかけて守ろうとした未来なのだろうか?天国や靖国から見た今の日本をみて彼らはどう思っているのだろうか?これからの日本をどうするかはリスナーの皆に考えてもらうとして、
回天という狂った兵器が存在したことを語り伝えて欲しいという、チャンジーのもう一つの頼みを果たすために喋らせてもらった。チャンジー!約束は果たしたぜ!ココからまた伝わっていくだろうよ。チャンジー長生きしろよ!
次回もyo-sk8放送局で!!






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